
海越しに3000m級の山々を眺めながらの宿泊と自然体験


富山県氷見市との県境に位置する七尾市南大吞(みなみおおのみ)地区。富山湾に面し、里山里海の恵み溢れるこの地に、2020年9月に新たな宿泊施設ができたということで訪ねました。
南大吞地区は富山県との県境にありますが、2015年に能越自動車道七尾氷見道路が開通したことで車でのアクセスが更にしやすくなり、七尾ICから15分で着きます。(※写真は帰り道に七尾大泊IC入口近くに停車して撮影したものです。)
七尾大泊ICを降りてしばらく進むと、南大吞地区の入り口に真新しい看板が。
大吞時間を楽しむ拠点である「大吞ハウス」「粋な屋坂本(創作和食料理店)」「遊心庵(宿泊施設)」の3つはいずれも「南大吞郵便局」の近くにあります。郵便局を探しながら進むと分かりやすいです。
大吞での宿泊や体験の受付場所となるのが、南大吞郵便局裏にある大吞ハウス。そこから車で2~3分山の方に登ると「遊心庵(ゆうしんあん)」があります。
もともと山荘として使われていた建物が改装され、一棟貸しの宿泊施設として生まれ変わりました。
この遊心庵の一番の魅力は、なんといっても宿からの絶景です。目前に広がる田園風景(春は田植え、夏は風に吹かれる緑の稲、冬には雪景色と季節によって様々な表情を見せてくれるそうです)の向こうには群青色が美しい富山湾、そして更にその向こうに3000m級の山々が連なる立山連峰。
このように海の向こうにすぐ高い山々がそびえ立つ風景が見られる場所は、世界的にも珍しいようです。立山の初冠雪は平年ですと10月なので、初冠雪以降だとこのように所々雪化粧した立山連峰が見られます。いつでも見られるわけではなく、空気が澄んでいて快晴の日に見られる可能性が高いそうです。取材の日はとてもはっきり見ることができ、ラッキーでした。景色にしばらく感動した後に宿の中へ。
入ってすぐに、くつろげる大きなお部屋が。ギターは最近設置されたもので自由に弾いていいそうです。
全体的に木目と藍色が基調となっており、寝室や洗面所もとてもリラックスできそうなおしゃれな空間です。キッチンもあり、フライパンやお鍋、包丁やお玉などの調理器具、食器などの備品が充実しているので、地元の食材を使った料理に挑戦してみるのも良いかもしれません。
リビングや寝室、入口ドアには大きなガラス張りの窓があり、いつでもその絶景を眺められるようになっています。
この場所は日本海側では珍しく、海から朝日が昇る光景も見ることができるため、朝起きてすぐに見る至極の景色に感動されるお客さまもいるとか。取材当時はまだオープンして3か月でしたがコロナ禍でありながら、関東などの遠方からのお客さんも多く訪れているそうです。直接遠方から車で、もしくは金沢からレンタカーで宿まで訪れて、ゆったりと大自然の中で一棟貸しの空間を楽しめるのが人気なようです。既にリピーターの方もいるのだとか。
宿の前にはウッドデッキがあり、ここで寝転がったりしながら自然を満喫することもできます。
宿の横ではバーベキューもできるようになっています。(宿泊する場合、バーベキュー自体は無料で手配できますが利用される場合は予約時にその旨をお伝えください。)ハンモックやLEDのランタンなどの備品も準備して下さいます。
夜の遊心庵はこんな感じ。暖かい色の照明で穏やかな時間を過ごせそうですね。
また、遊心庵ではお宿の周りをゆったり散歩する「大吞散策」もおススメしており、山コース、神社コース、海コースの3つがあります。この日は所要時間1時間30分の神社コースを巡ってみました。
田園風景を眺めながら山の方に向かいます。
少し山を登るとその昔大吞を救ったとされる「阿良加志比古神社(あらかしひこじんじゃ)」があります。
本殿の横には、「五本杉」と呼ばれるご神木が。樹齢800年ほどだそうです。上の方で五本に分かれていることが名前の由来です。
帰り道では先ほど遊心庵から眺めた景色とはまた違う、陸橋越しの海と山が。
山コースでは雑木林で森林浴を楽しめ、海コースでは漁港まで行き海を眺めることができます。
そしてここ南大吞地区では、2004年に大吞グリーンツーリズム協議会が発足されて以降、山菜採り体験や稲作体験、鮎捕り体験などの様々な里山里海体験プログラムが実施されてきました。今回は大吞ハウス前で薪割り体験をさせて頂きました。
このような木材を薪にしていくわけですが、コツが必要で意外に難しかったです。スポーツをしているような感覚で楽しめました。
南大吞では薪を販売もしておりたくさんの薪が積み上げられていました。
大吞ハウス裏では「のと115」というしいたけも栽培されており、12月頃から収穫体験もできます。(取材時は収穫にはまだほんの少し早かったようです。)
時季毎に様々な地元野菜を収穫し、地元食材を使ったピザ作りにも挑戦することができます。
これらの大吞での体験プログラムは遊心庵への宿泊とセットでもできますし、体験プログラム単体でも楽しむことができます。現在は大吞を知り尽くした「田舎遊びコンシェルジュ」がお客さんの要望をヒアリングしてオリジナルプランを作成して下さるそうです。
至極の景色を眺めながら、ここ七尾市南大吞地区でしかできない里山里海体験をしてみてはいかがでしょうか。
住所:石川県七尾市花園町ワ部2−1
電話:050-6861-3620
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